お一人散歩。

無理せず気軽に日常を楽しむブログです。

自宅メシにしたい、スダチ蕎麦。

初蕎麦

 一昔前、レモンラーメンがブームになっていました。醤油ベースの冷やしラーメンの上に、レモンスライスが何枚も並べられているやつ。

 

 一度、食べたことがあります。まだ私も若く、未知の食べ物に挑戦していた頃でした。特段、レモンに憧れや常備する人間でもなく。一番の消費は、レモンサワーくらいの位置づけのレモン。そんな、レモンスライスが乗ったラーメンは、どんな味がするのかなと。

 

 私的には、その一回で終了。再注文することはなく今に至っています(今では見かけない)。

 柑橘系の酸味と喉越しの良い麺類の相性は、良いと思う。夏場なんか食欲が減った時にさっぱりと食べられる素麺なんかもありますし。

 

 それでも、レモンラーメンは必要ないのじゃないかと思ったわけです。

 やっぱ、「ラーメン食べたい。」と思うときは食欲があるときだから。ラーメンに、柑橘系酸味のあるさっぱり感を求める人は少ないと思うわけです。

 

 同じ麺類の蕎麦界も、柑橘系蕎麦があります。

 数年前に通勤途中の蕎麦屋に「スダチ蕎麦」の張り紙を目にすることがありました。やはり夏場になると、店頭にポスターが掲げられるわけです。

 器は丼。冷たいだし汁が並々注がれ、蕎麦が浸かり、輪切りのスダチが並べられていられるやつです。

 夏場の食欲不振時には、ざるそばを注文してしまい、結局は食べずじまい。スダチ蕎麦は「食べる機会があれば、食べようかな。」的な位置づけに。

 そのため、着座系蕎麦屋ではついつい、何も考えずにざるそば系を食べてしまいます。

 

 こんなおひとり様ですが、2023年新年早々、スダチ蕎麦を初体験しました。

 結論は、美味いです。

 今年の正月三が日は、気持ちよく晴れました。私の住む田舎町は、例年に比べて雪も少なく暮らしやすい。雪掻きをすることなく、だらだらと寝正月を過ごせました。

 

 そんな正月でしたが、唯一の外出は、初詣。

 昼前に連れと合流し、買い物を楽しむと昼食時となったわけです。

 

 連れは、正月太りを解消するためにも、「さっぱりしたランチを食べたい。」と。

 蕎麦を売りにしている土地で生活しているので、蕎麦ランチを楽しむことになりました。

 

 向かったお蕎麦屋さんは、カフェ風の小洒落たお店。若夫婦二人で切り盛りしています。店内はカウンター席とテーブル席が二つ。BGMにジャズが流れており、イタリア料理が出てきても違和感がない雰囲気でした。

 

 最近、古民家をリノベーションしてお洒落な蕎麦屋が増えています。

 10年前、職場近くに開業したお洒落蕎麦屋も続いています。ランチ時は、小洒落たサラダや変わった器に盛られた蕎麦、蕎麦プリンを安く提供。観光地価格ではなく、店主の手打ちそばを食べられる貴重なお店なので、個人的にも応援しています。

 

 やっぱ、名物を食べさせてくれる土地に行ったら、美味しい名物を安く食べたいから。

 

 初詣で立ち寄った、小洒落た蕎麦屋さんは、つけ汁の幅広さを売りにしているお店でした。

 板蕎麦(板に盛られた蕎麦)大盛りに対して、3種類のつけ汁を選べます。

  ① 普通のつけ汁・かも南蛮・クルミ

  ② スダチつけ汁・辛豚南蛮・クルミ

 私は、②を選択しました。ここでスダチ蕎麦と知り合わなければ、注文する機会は訪れないと思ったから。

 

 年をとってから、食の冒険心がなくなる気がする今日この頃。

 貴重なランチは過去に美味しいと感じた安全・安定な味を楽しむ傾向を感じています。そんな時に、『年、とったな。』なんて思う。

 ランチでは、新規開拓するよりは、これまで食べて美味しく感じたお店に行ってしまいます。

 

 今回は、すだちつけ汁で残念な気持ちになっても、辛豚やクルミで食べればいいのです。辛豚やクルミは、経験上間違いなく好みだから。失敗をリカバリーできる蕎麦ですね。

安定感ある辛い豚。

 かも南蛮から派生した、豚系のつけ汁は美味しい。脂と塩気があれば、なんでも美味しい。自宅で蕎麦を食べるとき、麺つゆに豚バラ肉とネギなんか入れて、煮込むだけでも充分美味しい。

 ラー油や七味唐辛子なんか入れると、それだけで肴になる。

 まあ、プロが作った料理は、自宅メシとは当然、違うわけで。

 

さっぱり。

 いよいよ、スダチでいただきました。

 

 これ、美味しいです。はまります。想像とおり、酸味がありますが、決してむせる酸味ではありません。心地よい酸味。出汁の旨味と醤油の塩気がバランスよく、飽きないんです。

 

 自宅蕎麦で再現できないか。こんなに美味しい蕎麦、家で作れば安く沢山食べられます。

 普通のつけ汁に、ポン酢と柑橘系の輪切りを入れれば、自宅でも再現できるのではないかと。夏場の素麺時期に、やってみたい。

 

 おひとり様の取り巻く職場環境もシビアになり、収入減なこの頃。加えて、光熱費は上がっています。

 これまで以上に外食を減らしたい今日この頃。

 千円台で節約と楽しそうな食事の発想を掴めたことに感謝。自宅で完全再現は無理でしょうけど。

 新しい自宅メシの可能性が広がったランチでした。

美味しい二八蕎麦