お一人散歩。

無理せず気軽に日常を楽しむブログです。

ブラタモリと大人の社会見学(星くそ峠)

 「働き方改革」って、必要なんでしょうけど、うちの会社を見ていると形だけのような気がして滅入っています。

 課せられる業務量は減らないけど、「効率的に時間内に仕事を終わらせましょう。」。残業代が一定水準になると、注意が入ります。そのため、申請しない残業が増え、書類上だけの有給休暇の消化が増えることに。

 

 他の部署でも、同様らしく。

 いつかは、改革の揺り戻しがくるのではないかと思っています。

 むしろ、願っているかな。

 

 そんな独り身にとって、土日休みはとても貴重です。

 少し残務処理し、残りは会社の束縛から離れて気分転換ができる。

 天気が良ければ山や海に繰り出して、運動するのが大好きな時間です。

 

 先日の土日は、天気が悪かったので自然へは繰り出さず、友人と博物館へと出掛けたわけです。

 

 博物館や資料館がおもしろい。

 若い頃は、行く機会がなかったのですが。

 このところ、出かけた先にあると入館しています。

 

 今回、お一人中年が行ったのは長野県長和町。

 日本史で習った五街道のひとつ・中山道が通っている古い町です。

 ここに、NHKの人気番組『ブラタモリ』で扱われた『星糞(ほしくそ)』を見学しに行ったのです。

光を放つ星糞

 『星糞(ほしくそ)』。

 星のかけらを意味するそうです。

 夜空に光輝く星の、かけら。

 そんなかけらが地上で見つかるわけです。

 

 そのかけらとは、縄文人が黒耀石を加工し、その際に出た残滓。

 太陽の光を浴びると、綺麗に輝くとか。

 特に長野県長和町にある和田峠で採れる黒耀石は、他の産地よりも輝くそうです。そのため、質の高い黒耀石として、縄文人に珍重されたそうです。

 

 そんな、星糞の産地にある博物館が、『星くそ館』。

 黒耀石の展示施設です。

小学生が喜びそうな名前です

 

綺麗な建物。

 入館料は、大人300円。

 安いです。

 しかも、中に入ってびっくり。

 採掘された星糞の美しさや、考古学研究の資料や説明など充実しています。

大人ワクワク。
天井の高い博物館は、高級感が漂います。

 建物の綺麗さと、天井の高さからか展示品が際立ちます。

 そして、星糞の美しさ。

 この付近で採れる黒耀石ならではの、光り具合。

 

知ってる黒耀石ではない輝き
ボケてますが。

 

  輝く星糞や、ジオラマなんか眺めつつ。

 

細かいジオラマ

 300円でこのクオリティ。

 ほかにも、地元出身の研究者が遺したノートなんかも展示されていたり。

 大人が楽しめる内容でした。

 

 更に楽しいのは、縄文人が採掘していた山をトレッキングできることです。

 縦堀の遺跡は見られませんでしたが、採掘した後を彷彿とさせる大地の窪みなんかがあるんです。

快適な山道でした。

 山林は程よく間伐されていて気持ちの良い風が吹き抜けます。

 勾配は緩く、車通勤の独り身にとっては、程よい運動。

縄文人も歩いた斜面を登ります

 途中には、遺跡後を示すピンが打たれており、広い範囲で採掘が行われていたことがうかがえます。

 こんな山奥で、ほぼ自給自足生活を送りながら採掘して加工するなんて、凄いなと。

 社畜な私にはできない。

 アラフィフになり、身体にいろんな病気を抱えており・・。

 多分、今の時代に知識をもって黒耀石系ジョブに就いたとしても稼げないでしょう。

 そんなことを考えながら、歩きます。

 トレッキングコースの先には、もう一つの展示館があります。

軽井沢にありそうな、お金持ちの秘密基地的な建物。

 これが、入って驚きの建物でした。

 

地層を再現。
所々に星糞もありました。

 両サイドに、地層が再現されているのですが、そのクオリティもさることながらプロジェクトマッピングが楽しいのです。

掘ってます。重労働です。

良い石が採れたようです。

 再現した地層に、映し出される縄文人

 幻想的な景色と、労働の大変さを感じさせます。

 

 掘れば掘るほど、高価なものが出てくるとは言え、きついに違いない。

 がっつく縄文人もいるだろうし、縄文人にも替えの縄文人がいると思う。

 ここでも椎間板が一つ欠けている私の腰は、悲鳴をあげるでしょう。

 

 『働き方改革』。

 生産性の向上は、いつの時代にもついてまわるのか。

 縄文人の労働に思いを馳せながら、一応、気分転換したのでした。

森の中には、星糞が落ちています。
大きい星糞を探すのも楽しい。