北陸・呑み鉄・七尾駅前の一人酒への道②
眼前には富山湾へと繋がる海を抱え、有名所だと和倉温泉なんかある。
そして背後には、戦国時代最大の山城と言われる七尾城址があります。
海あり、山あり温泉あり。
当然、食べ物も美味しいわけです。
そんな、北陸の街・七尾市の外呑みがおひとり様に快適でした。
六角精児さんが、「呑み鉄本線・日本旅」で訪れた飲み屋なんか立ち寄ったり。
1 常宿・使い勝手のよいルートイン七尾東へ
私がいつも使うのは、七尾駅前のビジネスホテル。
人口温泉ですが、大浴場あり。
温泉も朝食も特に不満を感じさせない。
何よりも、安いですし駅前にありますので呑み歩きできるのが楽。
無料駐車場に車を停め、チェックイン。
部屋に入ると、旅行の旅に感じる「自分の城」感が湧いてきます。
これからお世話になる部屋。
少しでも、快適に過ごしたく。
使わない荷物をパッキングしたり、片したり。
窓の外を眺め、ローカルニュースを流しながら。
大浴場への入浴は、夕食後にして街に出ます。
多くの飲食店は、開店時間が17時。
ビールを飲みたい私は、開店直後に入るべくホテルを出たのでした。
以前、NHK「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」で放送された、おでん屋さん「小なみ」さんへ向かいます。
帰宅ラッシュが始まらない17時。
旅行客の特権なのか、明るいうちから飲み始めます。
2 呑み鉄 おでん・一品料理「小なみ」さんへ
暖簾をくぐると聞こえてくる、昭和歌謡曲。
常連さんの姿はなく、一人でコの字カウンターの一席に座ります。
お目当ては、名物の「ドジョウのから揚げ」と「牛すじおでん」。
生ビール大を飲みながら、おかみさんとおしゃべりします。
80歳を越えてるとは思えない、可愛らしさと元気の良さ。
私の地元話や、テレビ取材の話なんかしたり。
一見さんの私に気を遣ってくださり、楽しくも恐縮。
ドジョウはおかみさんの愛情と、待ち望むおひとり様の期待を背負う。
喜びなのか、滝登りの後に鍋に。
踊ったドジョウは、お一人様の肴に。
干からびた身体に、脂とビールが染みこみます。
シンプルな塩味に、ドジョウの苦みと白身淡白。そこにカリカリ。
ビールのあてに満足。
カウンター前には、おでん鍋。
おでん鍋を眺めていると、昔の回転寿司を思い出します。
現物を見ながら、食べたいものを決める楽しさ。
私が好きな、たまごと車麩。
おかみさん、お話好き。
その、おしゃべりが心地良い。
気を張らず、それでも私生活や仕事で人生訓みたいなやつが身体に染みわたります。
説教でもない。二日酔いの身体に入れる、水みたいな。
生大は二杯呑み、日本酒。
そして、牛すじ。
ちまちまと、あてにしつつ。
お目当てのドジョウ、おでんを楽しみました。
そして、80過ぎのおかみさんと再会を約束し、店を後にしたのでした。
外は、まだ微かに明るい。
ひっそりとした、七尾の街を歩き向かった先はお寿司屋さん。
3 七尾のお寿司屋さん『桜寿し』さんへ
七尾のお寿司屋さんは、美味い。
再訪と開拓で、いつも心が揺れ動きます。
庶民の私は、どちらかに。
一軒目の『小なみ』さんで当たりを引いた私は、その勢いに乗って開拓を選びまし
た。
今回、伺ったのは『桜寿し』さん。
予約なし、お一人様で入りました。
入口はいるとカウンター席。奥座敷があるようで、地元の会合で二席ほど使われて
いるようでした。
カウンターに座り、出てきたお通しを肴に能登の日本酒『竹葉』を。
石川県の伝統工芸の陶磁器でいただく。
追加で注文した『酢の物盛り合わせ』。食感、味が幾種類。
九谷焼で飲む日本酒が、当然すすみます。
親方は、寡黙。
普段、野球を観ませんが。
郷に入れば郷に従え。 興味を装いつつ、酒を飲みます。
〆に頼んだ『地魚の握り』。
美味しい。今回の、北陸旅行で一番感動。
このお寿司で、翌日の海鮮欲までも満たされた。
ホテルの朝食を抜きにして、とある食堂の刺身定食を朝食にしようかと考えていま
した。翌日の計画は、どうでもよくなる。
おでん、お寿司。どれも、美味しい。
しかも、おひとり様でも居心地がよい。
変な気を遣われず、かといってこちらも気を遣わず。
ハマります。
10月、仕事が落ち着いたときの再訪を誓ったのでした。