お一人散歩。

無理せず気軽に日常を楽しむブログです。

銀竜草と息抜き

 

この先に、銀竜草が。

 3月に仕事が変わりました。

 覚悟していたとはいえ、この変化はなかなかしんどい。

 仕事が変わると、出社時間はもちろん通勤手段も変わるわけで。

 

 想像をしていなかった、微々たる変化が疲労を蓄積させます。

 そんなアラフィフ独り身が、ささやかな休日に『銀竜草』を見て癒された話です。

 『銀竜草』。

 なんだかレアな響きを持つ名前です。

 ゲームの世界に、出てきそうな名前。

 こんな植物が、身近にあるのです。

 

ja.wikipedia.org

 引用元に「日本全国に分布」と書かれているとおり、中年おひとり様が生活する中部地方では、割と目にします。

 この植物が芽吹く6月は、山菜シーズンと重なります。ですので、山菜狩りに山へ行くと遭遇するわけです。

 

 今年は、春先の気候が暖かく。

 

 そのため、山菜も例年より二週間早いと言われていました。

 

チシマササ。あく抜き要らずのお手軽山菜なんです。

 写真のチシマササは、地方によっては根曲竹とも呼ばれています。

 名前のとおり、竹の味。

 山歩きの最中に、見つけると晩酌用に採取したくなります。

 

 焼いたり天ぷらにしたり、味噌汁の具にしたり。

 味は竹とトウモロコシの中間のような、優しい甘み。

 

 私は、この山菜が大好きでして。

 休日にトレッキングがてら採取し持ち帰り、この天ぷらを肴にビールを飲むのです。

 

 トレッキングという名の運動。これが免罪符。

 そして、自ら探し手に入れた無料の食材。

 普段は貧相な食卓が、質素なるも満ち足りた食卓になるわけで。

 

 ところが、今年は休日をとるのが難しく。

 大好きな、チシマササを採りに行く時間がありません。

 そんな、ある日の休日。

 ストレス発散目的でトレッキングに出かけたのでした。

あいにくの雨。雨音と鳥のさえずりが響きます。

 誰もいない登山道を一人進みます。

 降雨なるも、樹々に遮られ濡れずに歩きます。

 

 歩き始めは熊との遭遇に怯えましたが、所々に見える風景に見惚れ、恐怖心は薄れていきます。

怖さを上回る風景。

 一人、黙々と。

 惹かれる景色に出会えば、写真を撮り一服。

 

 一人に慣れていますので、マイペースが心地良い。

 

 ただ、歩くだけです。

 日頃の運動不足もあり、少し息があがります。

 そんな時に立ち止まり、深呼吸。

大きなカエル。

 カエルや蛇なんかにビクついたり。

 どちらも警戒心が強いらしく、物音を立てながら立ち去ります。

 普段、両生類を見かけることがないためか、ついつい写真を撮ってしまいます。

 しかも、追いかけて。

 

 こんな時、熊の恐怖も疲れも、明日からの仕事も忘れてる。

 幸せなのでしょう。

 

 そんな山道を進むと、白く透き通った植物に出会いました。

 銀竜草です。

 

透き通る白さ

 食べられる物ではない。(食べたことないだけ)

 

 触った感じは、見た目よりも芯がある感じ。折れることなく、しなります。

 群れていたり、単独で生えていたり。

正面。

 不思議な植物と出会うと、撮影まっしぐら。

 歩いては見つけ、撮影。

 自分にとって、一番綺麗な銀竜草はどれだろうか?なんて考えながら。

 

 明日からは、また仕事。

 どうせ、時間が過ぎるのなら楽しもうと。

 夢中で歩き、観察しました。

 

 長いようで短い一週間。

 少しは息抜きができたかな。

 

 溜息ながらも乗り切ります。