お一人散歩。

無理せず気軽に日常を楽しむブログです。

能登 穴水町「龍屋」:海辺カウンターで生ビールを飲みながら、お世話になった先輩を思い出した話

牡蠣のアヒージョ
ビールがすすみます。

 1人で飲むお酒が好きでして。帰宅後、料理しながら缶ビールで喉を潤します。

 作った料理を肴に、ハイボールを飲みながら動画鑑賞したりネットサーフィンして過ごすのが日課兼趣味となっています。

 

 若い頃は、先輩に連れられて飲み歩きました。

 行く先々で常連さんとの交友関係が広がり、今でもお付き合いが続いています。

 

 ところが、転勤に伴う数々の引っ越しや収入の減少、そしてコロナ禍により飲み歩かなくなり・・。今では、自宅での一人飲みが当たり前となりました。

 

 特段、話す相手が欲しいとも思わず。

 冷蔵庫内の材料を使って好きな料理を作り、飲むだけです。

 それでも、どこかゆったりと流れる時間が好き。

 

 そんな私が、この秋に久々の外飲みをする機会がありました。

 20年来の友人と出掛けた海辺のカウンター。そんなカウンターがあるお店で生ビールを飲み、少しだけ切なくなったお話です。

 20年前。資格試験に挑戦したくて銀行を退職した直後。地方のダイニングバーでフリーター生活をしていました。

 

 そのダイニングバーはカウンター席とテーブル席が二つの小さなお店でした。店員は、マスターひとり。マスターは若い頃、画家になることを夢見て渡米し、飲食店で働きながら創作活動をしてきた方。30歳年上でしたが、目をかけてくれました。

 

 そのお店ではバドワイザーの生ビールを提供していました。アメリカで生活していた頃を懐かしんでいたのか、こだわりなのか。マスターは日本のビールを入荷しなかった。

 

 サーバーは出だしの泡がどうしても多く出ます。泡の割合が多いビールを提供するわけにはいきませんので、出だしの泡部分をマスター専用グラスに注いでいました。マスターはいつもビールを飲みながら仕事をしていたな。

 

 マスター自身も酒好きなこともあり、そしてアルコールに強い体質だったようです。グラスに溜まった泡だらけのビールを飲んだり、追加で注いだり。「バドワイザーは水みたいなものだ。」なんて言っていた。

 

 マスターは癖が強い人で、度々常連さんと議論なのか口論していました。自論を持つ常連さん達が集まるお店だったので珍しくなく。

 まだ若い私は、彼らの議論を聞いているだけでも勉強になった。というか、素直に楽しかったです。手を出さず、上下関係のない自由な関係の大人達の議論。「あなたの金で飲んでいるんだから、好きなことを言え。」マスターが度々議論の場で言っていた言葉。(あれから20年近く経ちますが、今の私にはできません💦)

 

 5年ほどアルバイト生活。希望に向かいながらも、どこか隅っこに心細い感情を持っていたフリーター時代と重なっていました。客としてもお世話になりました。その後、お店は閉業。私も再就職し、いつしか疎遠に。

 バドワイザーやこじんまりとしたカウンターを見ると、マスターや当時の自分を思い出し、今でも心がキュンとなります。そんな、カウンター越しに飲む生ビールの思い出。

 

 缶ビール片手に海辺散歩は多々ありますが、海辺で生ビールを飲む機会に恵まれず。ある日、友人に誘われて(マスターの店で知り合った。付き合い長い友人)、能登半島穴水町にある民宿に行く機会がありました。

 

 海辺に建つ民宿は、お洒落な民宿。古民家を再生した母屋と、バーのある離れがあります。バーカウンターは、海を向いており夕暮れの海を眺めながらお酒が飲める。

ピザ窯とカウンターの向こうに海

 カウンターと、ビールサーバー。また、癖がありそうな年上のマスター。やはりフリーター時代を思い出しました。(ビールはエビスビールでしたが)。

 

 海辺カウンターのマスターも癖がありそうな方。丁寧な接客の中に、譲れない意思を持っている方でした。長年の友人と、素敵なマスター。

 途中から、夫婦の常連客さんも加わり。初対面の観光客を気持ちよく受け入れてくださりました。

 

初めて食べる牡蠣ピザ
パリパリ感もたまりません。

 20年前に憧れた世界に戻った気分。

 当然、ビールも肴も美味しい。

 訪れた季節が牡蠣のシーズンでしたので、牡蠣のアヒージョや牡蠣ピザ、焼牡蠣等、牡蠣尽くしの肴。

 

 初めて訪れた場所でしたが、カウンター席の懐かしさも相まって。食べ物も美味しく、お酒もすすむわけで・・。ついついテキーラなんかにも手を出し。

燻されたソーセージ
牡蠣から解放された美味しさ。

 飲みすぎた感がありましたが、就寝。

 早朝に喉の渇きで目覚めたのでした。

二日酔いで迎えた朝

 無性にコーラが飲みたくなります。二日酔いの胃が求めているのでしょうか。

 眠っている友人を起こさないよう静かに、コーラを求めて外へ出ます。

 

 まだ暗く、静かな海辺の道をフラフラと歩きます。駅前まで行けば自動販売機はあるでしょう。フラフラと能登鹿島駅へ。桜で有名な能登鐡道の駅です。ところが、駅に自動販売機が見当たりません。

 諦めて少し先へ進むと自動販売機らしき灯りが見えました。無事に赤いやつを発見。飲み干します。

 

 甘い炭酸が疲れた胃を刺激し、少し生き返った気分に。

 しばらく海を眺め、宿へ戻ると友達が釣りをしていました。アオリイカのシーズンです。釣れたら、朝食が一品プラスになるとのこと。

 少し竿を振って、二度寝

 

 二日酔いの頭で思いました。20年前より、弱くなったなと。

早朝から釣りを楽しむ窓越しの友人
私は二度寝しました。20年前に比べて、お酒に弱くなりました。